【新聞/ネット等】~~ 社外取締役「3分の1」要求 ~~

社外取締役についての画像

2017.6.9 日経1,19面記事です。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
社外取締役「3分の1」要求
米英投資家が共同歩調
日経平均株価を構成する225社でこの条件を満たすのは約4割にとどまる。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
との、記事です。

「社外」取締役という会社外の目で経営をチェックする という意図のもと、整備されてきたのが社外取締役の制度です。

役員・取締役は、やはり会社の事業内容をよく理解している従業員から出世してきた方が多く、
もちろん、その方が会社運営は効率的に進みます。
ただ、やはり、人事権を持った上職者や古株の方の意見には逆らえない というのも人の常です。
その現実を踏まえたうえでの、社外取締役制度ですが、やはり問題も抱えています。

 

「社外取締役の成手不足」
社外取締役は、過去や現在進行形のものも含めて、会社の実情を深く知り得ないことから成手不足という問題もあります。

東芝の事例をみてみましょう。
もう、いつ頃からこのニュースが話題になっていたのか覚えていませんが、
東芝のHPをみると、2015年4月から不正会計の兆しがみてとれます。

それを踏まえて社外取締役の変遷をみると
2015年9月:社外取締役4名のうち3名が退任、5名を新任
2016年6月:従来からいた1名が退任、1名を新任
というのが、ザッとしたところです。

不正会計の兆しがIRニュースでみてとれる2015年4月時点の社外取締役の就任日・退任日は下記の通りとなります。
 就任日2012年6月、退任日2015年9月 2名
 就任日2014年6月、退任日2015年9月 1名
 就任日2012年6月、退任日2016年6月 1名

事実はもちろん知りませんので、何とも言えませんが

東芝クラスになると、社内の管理体制も整備されているでしょうから、
出てくる書類も、「非の打ち所がない」「突っ込む要素が見当たらない」的な部分もあったかと思います。
出てくる書類をみて、報告を受けて、特に何も言うことはない・・・・
というような役員会・取締役会であったと、想像をしてしまいます。

そのような会議で、
長くて就任3年弱、短いと就任から1年も経っていない社外取締役に何の意味があったのか???
これで損害賠償請求という話になれば、怖くて誰も就任できない。って普通なら思いますよね。

 

社外取締役の「兼務」
また、社外取締役は、「社外」ですので、
競合の問題はもちろんありますが、他社との兼務も可能で、本業ではありません。
東芝ではなかったようですが、
10社程度の兼務をされている社外取締役もいるそうです。
お飾りでなければ、10社も役員・取締役を兼ねるなんて不可能です。
「何をしてくれるのか、何ができるのか」という視点ではなく、ある程度のネームバリューが先行してしまっているのでしょうね。

 

社外取締役の効果
ただ、社外取締役という仕組みは問いませんが、
第三者や外部の目が経営にチェックを入れるというのは重要かつ有意義なことだと考えております。
視点を変える ということの重要性は言うまでもありませんし、それは「社外」「外部」だからこそできることかも知れません。

弊社の実績には、社外取締役就任はありませんが、「取締役会開催支援」ということで、
中小企業の取締役会によく参加させていただいておりますし、常に社外・外部の観点から、経営改善・経営管理に取り組ませていただいております。

 

       大阪・兵庫の中小企業の経営管理なら MSコンサルティング