現金預金の管理

現金預金の管理、されていますか?

【預金】

通帳やネットで増減の動きを確認できますので、よほどの事例でも無い限り、帳簿と実際の残高が合わない なんてことはないと思います。

事例①

事例②

この事例をみると、預金の不正をする側はかなりの本気度ですので、それを見つけるのは毎月のルーティン化された作業だけでは難しく、相当手間がかかりそうです。

ただ、損失の金額を考えると少しくらいの支出は仕方ないのかも知れません。

自社の規模(管理体制)次第ですが、自社の管理体制に疑問を持たれているようでしたら、

安く済ませるなら顧問税理士に依頼してみる。規模的に大きな会社であれば、外部の第三者に依頼するというのが妥当なところでしょうか。

【現金】

実はやっかいなのが現金の管理です。

銀行口座であれば通帳等で収支の日付・金額が最低限分かりますが、現金は管理担当者が残さないと何も分かりません。

それこそ、管理担当者の性格頼りなのです。

現金の実際残高と帳簿残高が違うなんてことは、案外身近にあったりします。

我々のような外部の人間が資金繰り表を作るときには特に要注意です。必ず帳簿残高から資料の作成をスタートします。現金預金残高が一致しているなんて当たり前と思っていますからね。

現金残高がやけに多いな?と思ったら必ず確認しましょう。

例えば、30万くらいの残高を常においている会社はそれなりの規模の会社です。

ひとこと、「現金このくらいあります?」と聞くのが安全です。

自社の帳簿の現金残高、一度確認してみてはいかがでしょうか。

20220801【日経】 中国不動産に庶民の乱

日経の記事です

いまの中国では、不動産の引き渡しを受ける前に住宅ローンの返済が始まるようで、引き渡しを受けてない不動産について住宅ローンの返済を拒んでいるそうです。

端から見ると、そもそもとしてその取引形態に異常性を感じます。引き渡しを受けていないのに、住宅ローンが組まれ、かつその返済をするなんて・・・・

自分がその真っただ中にいたら気づけるのかどうかは分かりませんが、

大きな取引をするときや、異常性・違和感を少しでも感じる取引の際には、フラットな意見をいってくれる方に相談する。というのは、取引の種別を問わず大事なことですので、忘れずにいたいですね。

また中国といえば、数年前から「シャドーバンクを利用した利鞘商品が膨れ上がりすぎて・・・」みたいな話で、いつ不動産バブルが弾けてもおかしく無い

といわれていましたが、とうとう現実化してしまうのかも注目を浴びるところです。

コロナで痛み切った経済に追い打ちをかけるような事態にならないことを願います。

在庫の評価方法について

在庫の評価方法で少し難しいのは自社製品がある場合でしょうか。

製造原価から原価計算を行い・・・、となると結構手間がかかりますよね。

こういった場合でも、中小企業では予定原価・標準原価といった方法で在庫を評価しているケースが多いかと思います。一番楽で、ある程度合理性のある方法ですよね。

在庫の評価方法が経営判断に影響する場合があります。

それは、在庫が長期に保存可能、耐久財といったケースが一番分かりやすいでしょうか。

最低限の保存方法であれば、物理的な劣化も少なく、何年でも販売可能です。

製造に必要な費用(材料費・労務費・間接費)が在庫に計上されていますので、在庫は資産価値を表すとともに、かかった費用が損益計算書を通っていませんので、利益が過大になっていることにもなります。

在庫が適切な範囲で回転していれば上記のようなことは考える必要はありませんが、在庫が滞留しだすと、利益と収支の乖離は年単位で見ても大きくなり、利益ばかり気を取られていると経営判断を大きく誤ることとなります。

自社在庫が長期保存可能・長期保存されているのであれば、在庫の評価方法を一度見直してみるのもいいかもしれません。

20220728【日経】 三菱電機国際規格の認証取消

日経の記事です

三菱電機の「機器の試験で虚偽の成績書を作成したり、指定と異なる条件で実施したりするなど」の不正による影響です。

認証を条件とした入札などに応募できなくなる可能性もあるようで、業績への影響も懸念されます。

不正の根は深いですね、何度も聞いている印象です。

膿を全部出し切り再スタートするのが大前提なのですが、今度は上手くいくのでしょうか??

三菱電機本体がこの認証取消により会社が傾くみたいなことはないと思いますが、各工場の近くには三菱電機から受注に依存した中小企業が沢山いるはずです。

認証取消により、三菱電機からの発注に大きな波が発生することと思います。それによって、潰れる中小企業が増えないことを願います。

売上・利益目標の設定の仕方

<業績の厳しい会社向けです>

借入金の返済負担が重い・業績が厳しい といった会社は売上目標・計画を必ず設定して欲しいところですが、業績が厳しい会社ほど目標設定していないというのが現状です。

これには、受注が1,2ヵ月の短納期ばかりで長期的な計画を立てても意味がないという返答がよく返ってきます。

しかし、自社にはどれくらいの売上が必要で、それを元に営業に目標を割り振るといのは最低限のことですので、ぜひ徹底していきたいところです。

例えば、借入金の返済負担が毎年300万ある会社であれば、最低でも

300万÷(1-25%)=400万の利益が必要です。

(中小企業は利益800万まではだいたい税率25%ですので、それで計算)

(繰越欠損金が大きく税負担ない場合は、300万)

損益以外で発生する収支分以上に手残りを稼がなければ、手持ちの残高が減り続け近いうちに資金ショートすることになります。

売上目標を設定する前に、まずは、利益目標を設定しましょう!

目標利益の設定ができれば、

・損益計算書、製造原価報告書を月次推移でならべます

・各項目を固定費と変動費に分類し、

・固定費はそのまま横置き、変動費は売上との%を出します。

上記から、(目標利益+固定費)÷(1-変動費%)を計算すれば、損益分岐点売上高が算出されます。

まずは、この「損益分岐点売上高」を目標売上として、設定してやってみてください

損益分岐点売上高は本来 (固定費)÷(1-変動費%)で算出するものですが、固定費に必要なものをプラスすることで、必要な売上高を確認できますので、ぜひ覚えておきたいところですね。

20220727【日経】 ゾンビ企業16.5万社か

日経の記事です。

凄いものいいでしたので、ついつい書いてしまいました。

「利払いの負担を事業の利益で賄えないにもかかわらず、営業を継続している」この言い方はないです。

経営者がどれだけの辛酸を味わいどれだけ苦しんでいるのか、雇われ従業員の単なる記者には分からないのでしょう。

クライアントの社長と金融機関に返済猶予の依頼にいくと、たまに酷い担当者がいます。

「いつ返すのか、いつ返済金額増やせるのか」それにしか興味がなく、

「現状は増やせない」と返事をすると、金融庁に連絡をいれたくなるくらいの言葉を浴びせられたことがあります。今でも忘れられません(笑)

「御行への返済金額は少額かもしれませんが、全体をみてください、年間返済額〇〇百万円ですよ。そこは評価していただいてもいいんじゃないですかね?」と、さすがに言い返しましたが。

厳しい環境下で頑張っている経営者はたくさんいます。しかも今は未曽有の危機です。

ゼロゼロ融資といったセーフティーネットも返済が始まりだし、これからも経営者の戦いは続きます。偏ったものいいで一括りにするのは辞めていただきたいですね。

意思疎通・風通し 事例①

【状況】

製造業、年間売上7億、従業員25人程度

現場上がりの頑固な創業社長、職人気質の製造現場と営業の間を次期経営者(女性)が取り持つ役目を担っていた。

「昔気質の職人のためこちらの意見をほとんど聞いてくれなくて・・・」との話であったが、会社の状況から改善の手を緩めるわけにはいかないため、製造会議をとりあえず1回だけでも開催しましょう。と強く要望し開催へ。

 

しかし、いざ開催してみると、様々な改善要望事項がでて毎週開催することになりました。

これは何も特別な事をしたわけではなく、

  • 過去からの人間関係があり、今までの流れの中だと意見をいいにくい
  • 外部の第3者の介在で、意見がでやすくなる
  • 話せる範囲で会社の現況を伝え、協力してもらうという姿勢

というところでしょうか。

最初は「昔、社長がー」というような意見もでましたが、過去起こったことをどうこうすることはできません。どちらが正しいかの判別も不可能です。

特に外部の専門外の第3者の私には製造現場の知識もありませんし、業界のことも分かりません。しかし、そんな存在であるからこそ、客観的な会社の数字に基づき、「これからの話をしましょう」ということで一つ一つ丁寧に意見を聞き、今後どう改善していくのか協議し、宿題を設定していく。

誰かに傾いた意見を言わない存在がリスタートを切るには必要だと確信しています。

経営陣と従業員の意思疎通

少し前のニュースですが、

「ドミノ・ピザがキャンペーン停止」ってあったの覚えておられますか。

何やら過ぎた割引キャンペーンで注文が殺到して、何時にピザを届けられるのかも分からない・・・みたいな事態になったそうです。

経営陣に現場を分かっている人がいない現場の意見が経営陣にいかない というのが大きな一因ではないかと思っています。

私が今まで関与させていただいた企業再生案件の多くも、意思疎通ができていない・風通しが良くない会社が多くありました。

意思疎通がないと問題発生時の対応も遅れていきますし、問題の本質を誤ることもでてくるでしょう。

経営者のワントップ型とでもいうのでしょうか、業績がいいときは何事もなく進みますが、逆回転し出すと中々気づけずに手ひどい目に遭っている会社も多いです。

取締役会・幹部会・部長会といったような会議体が意思疎通の場になりますが(普段のコミュニケーションを除けば)、上司に萎縮してしまってほとんど言いたいことも言えない だと、やってる意味はありません。

弊社では取締役会開催支援もしております。

社長・従業員どちら側でもなく、会社の立場から発言させていただきます。

ある会社の役員会では、「ジャリのくせに生意気言うな」と社長に怒号を浴びせられることも多々ありました。

その言葉に深く傷つきながらも(笑)、発言は続けましたが・・・

風通しのいい風土は組織が強くなっていく上で、必須の重要事項です。

人の振り見て我が振り直したいですね!

管理資料の作り方

管理資料の作り方

毎月の数字は確認されていますか?

売上は確認している!

という声は聞こえてきそうですが、売上を確認しておられない経営者はいないと思います。

最低限として、月次の会計が締まったら最終の損益まで確認するようにしましょう。

会社の経理能力によって違いはありますが、だいたい翌20日~25日くらいに確認できれば十分かと思います。

管理資料は会社によって違いますので、一概なことはいえないのですが

「損益計算書の月次推移、前年同月比較」は最低条件として上げられます。

この理由としては、

・売上は請求で計上しているが、費用は支払で計上している

・売上の締めと仕入の締めが違う

といった理由で、売上が先行して計上され、月単位で見ると利益が過大に計上されているケースを良くみかけます。

上記ができるようになれば、

・事業別損益

・得意先別売上の推移、得意先別単価や粗利

・製造原価を事業別に分類

といったことにも手を出していきたいですね。

何が儲かっているかは、事業を継続する上で必須の確認事項です。

キャッシュフロー計算書を作成してみよう

利益がでているのに、お金が思ったより残っていない?

と思ったことはありませんか?

そんなときは、キャッシュフロー計算書を作成してみましょう。

利益=お金(現預金)の増減

にならないことは、会計をかじったことが無い方でもご存じかと思います。

相違を生み出す主なものとしては、

・借入金の調達と返済

・設備投資、もしくは売却、減価償却

・売上債権や仕入債務の増減

・棚卸資産の増減

でしょうか。

キャッシュフロー計算書は、直接法と間接法の2種類があります。

間接法は損益計算書の利益から資金の動きを確認する方法で、「利益がでているのに、お金が思ったより残っていない?」のような事後的に確認する場合に向いていて、

直接法は、いわゆる資金繰り表で、「お金がいついくら入ってきて、いついくらでていく」というシビアな計算が求められる場合に向いています。

間接法のキャッシュフロー計算書の作成は、損益計算書と資産負債の差額から作成する方法で、それほど作成に時間がかかるものではありませんので、顧問税理士さんに作成を依頼して確認して見るのもいいかも知れません。

取締役会の活性化支援について

取締役会や役員会は、会社運営の根幹です。

組織の大小を問わず、取締役や役員クラスの方がおられ各業務の運営を担っておられることかと思いますが、

やはり全体的な視点に基づく運営が不可欠であることから、取締役会で各部門・事業所の情報共有を図り、

問題が発生した場合には、物事を客観的に捉え、対応・責任を果たしていかなければなりません。

そこで障害となるのが、立場や人間関係です。

創業者やオーナー一族といった絶対的な存在や、部署間の力学といったものは人の組織である以上は必ず存在し、

発言の機会がなかったり、発言する気すらないという会議体は数多くあるものです。

営業担当役員や社長の強気な営業見通しを踏まえた、
過剰な在庫投資や設備投資による資金繰りの逼迫・損益の急激な悪化 ということは
今の上場企業でもよくある話です。

だからこそ、外部の第3者であった者を社外取締役として取締役会の構成員として入れる社会的風潮が強いのです。

ただ、取締役、となると色々とハードルがあがりますので、
弊社では取締役会の開催支援のコンサルティングという形で、取締役会の活性化をサポートさせていただいております。

「管理資料・議論するための土台がない」や「営業畑の社長や2代目の管理力向上」
といったスタート地点の状況から
「役員間や創業者一族と生え抜きの役員とのパワーバランスを経営数字に基づく客観的な意思決定」
というステージまで

幅広く対応させていただいております。

 

 

 

大阪・兵庫で番頭さんや経営企画室長的なコンサルティングを実施するMSコンサルティング株式会社

【経営管理】予算の作成

4月から新年度、の会社が多いのではないでしょうか?
となると、今の時期に問題となってくるのが、予算です。

部署別や商品別の売上予算からはじまり、原価・経費予算等々、
最終はすべてを合算した損益予算の作成まで、多くの会社で取り組まれている真っ只中かと思います。

売上予算作成の方法でよくあるのは、下記の2つです。
1.前期の数字をベースに数%up
前期と同じであったり、前期より下げるというのは営業の目標としていかがなものか?
というのが起点になっていると思います。

2.経営陣等から降ってきた問答無用の予算
経営陣の目標や想定から予算が降ってくる会社も多いのではないでしょうか?現状を踏まえた予算であればよいのですが、
現実から大きく乖離したものであれば、次の1年は意味のない時間を生み出すだけのものになりかねません。

仕事がら予算作成をさせていただく機会も多いですが、その際は下記の事項に留意しています。
(1)独りよがり(一部の人)の予算(売上)にしない
現実からかい離した予算に意味はありませんし、必ず達成できる予算は目標という役割を果たしません。
立場の違う現場と経営陣での擦り合わせは、予算作成の上で必須の作業です。

(2)一人前と考えられる水準(売上)はどこなのか
業種や商材、地域、担当しているお客さんによって様々ですので、一律にいえませんが、
営業の方はその方の実力だけで営業しているわけではありません。
社名や会社が用意した商材・ルート等の会社の力を借りて営業を行っています。
一体、一人前の営業と言われるには、数字はどれくらい必要なのか?考えてみて損はないと思います。

(3)3年後、5年後の姿を想像する
予算作成になると、多方面から意見(文句?)がでてきます。
その時に来期のことだけでなく、3年後・5年後どうなっているのか?を想像してみてください。
業績はどうなっていますか?年齢層は、社員数はどうでしょうか?
来期の予算ですが、先々を踏まえた先行投資という視点も忘れないでおきたいですね。

(4)利益の視点を忘れない
営業マンの予算になると忘れられがちですが、やはり利益を獲得してこその成果です。
「ウチは、原価構造が複雑だから、営業マンには売上予算しかないんです。」
というお話もよく聞きますが、予算達成のためには無茶をする方もおられます。
精緻でなくても構いませんので、導入を検討してみてください。

ご参考までに。

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【経営管理】決算書の読み方③

(4)負債・純資産が資産のどこに流れているのか
少しだけ難易度があがりますが、
「負債・純資産」はいわゆるお金の調達側であり、資産はお金の運用側です。
「負債・純資産」側では何の科目が一番大きくて、資産側では何の科目が一番大きいのかを確認します。
その会社が調達したお金をどう使ったのか、ということが想像しえるのではないでしょうか。
売上債権や棚卸資産であったり、よく分からない投資その他資産であれば注意が必要になります。

(5)その他
ここまで2,3分は経ってしまいますので、あとはその他の簡単なところを確認したいと思います。
・配当の有無
⇒余裕がない限り、ほとんどの経営者は配当をしません。配当があれば、まずは大丈夫というところではないでしょうか。
・特別損失、特別利益
⇒内容にもよりますが、多額に発生している場合には、経営上の大きな舵取りをした可能性があります。
翌年度以降の状況を見守る必要があります。また、毎期発生するような項目を混入させている場合もありますので、
資産・負債で増減したものはないのか?という確認も必要です。

文章だけで書くと少し分かりにくいかも知れませんが、
ザクッと把握 というレベルでしたら、十分な項目だと思います。

以上、ご参考までに

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【経営管理】決算書の読み方②

さて、決算書の読み方ですが、最近は色々な本がでていますので、じっくりと勉強されたい方はそちらをお読みいただくとして、
このコラムでは、ザクッと2,3分程度で決算書を読むというイメージでいきたいと思います。

(1)利益がでているか。
至極当たり前ですが、最も重要なことです。
売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益等の各段階損益がありますが、
特に営業利益・経常利益が継続して(2期以上)出ているかというのは重要なポイントです。

また、減価償却が計上された上での利益なのかも重要です。
減価償却は、税務上任意償却ということもあり、決算調整に使われやすい項目です。
償却資産(有形固定資産のうち、土地を除く)が多額に及ぶ製造業等において
未計上のまま(もしくは少額)利益がでているという場合は、実質は利益がでていない場合もあり、注意が必要かもしれません。
減価償却が別掲されていない場合には、前期と当期の償却資産の増減から減価償却がされているのかいないのかを推察することが必要になります。

(2)現金預金残高
一律に語れることではありませんが、1つの指標としては、
毎月のキャッシュアウト金額(*1)程度の残高があれば優良といえるのではないでしょうか。
また、現金預金残高ではなく運転資本でみるのも有効です。
運転資本=現金預金+売上債権(売掛金+受取手形)-仕入債務(買掛金+支払手形)

この場合は、滞留債権(*2)の有無も気にする必要があります。
回収可能性のない売上債権を売掛金として計上しつづけている会社はいくらでもあるはずです。
*1 (売上原価+販売管理費+営業外費用-減価償却費)÷12 というイメージです。
*2 売掛金÷(年間売上高÷12)で、売掛金が何か月分残っているのか確認するのも有用です。
卸売業は数か月、飲食業はほぼ0ヶ月といった業種特性がありますので、こちらも前期・前々期との比較が有効な手段です。

(3)借入金残高(リース債務や長期未払金といった設備関連の負債も含む)
過剰投資の結果、借入過多というのはリーマンショック以後、増加していると思います。
・売上高と借入金残高の比較
もちろん業種によりますが、同額くらいに借入金残高が増加していると要注意です。
・簡易的な返済可能年数算出による検証
借入金残高÷(経常利益―税金+減価償却)<15~20     もしくは、
(借入金残高-運転資本)÷(経常利益―税金+減価償却)<15
というのは、金融機関がもっているイメージの一例でもあります。
・金額の増減状況
借入明細別にみられれば一番なのですが、ない場合は、長期借入金の増減を確認します。
新規借入と返済で相殺されている場合もありますが、残高に比して超少額の減少が続いている場合は少し注意が必要です。

続く

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【経営管理】決算書の読み方①

昔からの友人が親から会社を承継し、2代目社長をしていることから、
たまに、「この会社の決算書を読んでほしい」という依頼がきます。

公共事業系の業界ということもあり、多くの会社が決算書を公開しており、誰でも見ることができる状態になっています。
そこで、PDFの決算書とともに、「この会社どう?」という短文がきます。
既存の取引先なのか、新規で予定があるのかは不明ですが、決算書を確認できる手段があるのであれば、
随時確認しておくというのはとても重要なことだと思います。
経営をおこなっていく上で、売上債権の貸し倒れというのが一番怖い事ですので。

この「決算書を読む」という依頼では、毎回のように留意事項をつけて返信しています。
①決算書が正しいことを前提にしている。
②2期以上を比較して、確認すること
③決算書が正しいとしても過去の情報であること。

その理由としては下記のとおりです。
①:決算書だけの場合は、その信頼性を確認することはできません。(監査法人の監査があれば別ですが)
税務申告用とは別に、ということもよく聞く話ですので、そこは留意する必要があります。
②:上記①の対策でいうと、2期以上になると決算書を別に作成するのは段々と難しくなります。
また、2期以上の比較だとその会社の業績等推移を想像することができます。
1期だけを切り取られた決算書よりは格段にその会社の業況把握が進みます。
③:決算書はタイミングによっては1年前の情報であることもしばしばです。
過去がいいから、今もいい。ということは保証できないのが今の経済環境ではないでしょうか。

続く

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【経営相談事例⑦】新製品の開発と営業管理

数年前の話です。

社長の肝いりで新商品開発が進み、発売までこじつけました。
5,6年の開発期間を経て、とのことでかなり力が入っていました。
商品分野が、社会問題となっている事項に対してとのこともあり、
新聞・テレビでも取り上げられ、売上の成果に期待が膨らんでいました。

初年度、結果はでませんでした。
販売台数は数十台(売価は1台1万円程度)。
社長に理由を聞いても、当たり障りのない話ばかりです。
販売にかける意気込みもあり、初年度の在庫金額は1000万を越えていました。

2年目を迎えても、在庫はほとんど動きません。
社長に話を聞くと、
「営業に力が無いし、全然営業に回っていない。」
「ただ、商品自体には力があるし、必ず売れていく!」
「あの人(かなりの有名人)にも必ず売れていくから、今が我慢のしどころやと言われた。」
とのこと。

3年目を迎えました。もちろん在庫に動きはありません。
当該クライアントには、財務コンサルという形で関与しておりましたが、
業績不振が続いていたこともあり、
この頃から、経営管理の分野も関与することとなり営業会議にも参加することとなりました。

そこで、営業の方に、現場の状況を率直に聞いてみました。

営業の方:
・当然、営業はかなり回っている。既存客はもちろん、新規も。
・プレゼンすると、多くの客から同じ事を言われる。「この商品は×××で・・・・」
・そもそも、開発段階に一切入らせてくれなくて、完成したから売ってこい って・・・

営業の方が実際に回っているのかどうかはひとまず置いておいて、
「多くの客から同じ事を言われる。」
「完成したから売ってこい」
は見過ごせません。

社長に、「●●という話もあるみたいですが、」という形でお聞きしてみると・・・

社長:「新規商品を買いもしない得意先、営業力のない営業マン、主体性のな い従業員の意見を聞き入れてたら、商品開発はいつまで経っても終わらないよ。」

     

経営者には決断が求められる大事な場面があります。
色々な人の意見を全て取り入れて というのは理想論で、
ある種の割り切りのもとに決断をする必要があるのは至極当然のことです。

しかし、やはり程度の問題はあります。

    

多様な商品が簡単に手に入るこのご時世で、
商品開発を社長の独断・思い込みだけで全てを終わらせていた 
というのは正直なところ無茶苦茶です。

これはある会社の事例ですが、他所の会社でも同じような事例を多々お見受けします。

そして、そうなってしまった経緯をお聞きすると、返ってくる言葉は似たような内容です。

     

一方で、従業員側の話も似たり寄ったりです。

こういった事例をお聞きすると、「もったいない」といつも思ってしまいます。

経営者と従業員の中間に位置できる立場の方がいたら、もっと良い結果が生まれているのに・・・、と

     

弊社のコンサルティングは、会社の側にたって実施させていただいております。

経営者側でも従業員側でもないため、時には経営者と真っ向からぶつかります。
(いわゆる、番頭さんや経営企画室長という立ち位置でしょうか)

ですので、経営者様から罵声を浴びせられることもあります(笑)

しかし、ぶつかることとなったとしても、結果として会社のため、ひいては経営者・従業員の側に経つことになると考えているため、少しの躊躇くらいはありますが、ぶつかることは意見交換として非常に重要な工程であると考えております。

上記会社では、それ以降、商品開発の話にも参加させていただいております。
もちろん私に商品開発の知識や経験はありません。

しかし、商品開発という分野は経営管理の分野と重なり合うこと部分があります。

それは、上記事例がどうすればもう少し上手くいったのか を考えるとよくわかるかことです。

    

大阪・兵庫で番頭さんや経営企画室長的なコンサルティングを実施するMSコンサルティング株式会社

弊社の経営管理のコンサルティングについて

弊社が提供させていただくサービスとして経営管理とは

①経営数値の見える化
②経営数値にもとづく議論の活発化
をベースとしております。

①毎月の売上・利益の確認(不安であれば資金繰りも)ができる体制の確立
これは会計に基づく試算表だけではなく、その他追加の管理資料も含んでおります。

②上記①の資料は大前提です。
この資料を元に社内で議論が活性化するように、社内会議に入らせていただきます。
・社内での上下関係
・社長やオーナー親族への気遣い
といった、中々意見が活発化しない壁というのは確実に存在します。

社外の第3者という立場から、数値にもとづく客観的な意見をもって活性化の支援をさせていただきます。

活性化すべき議論は多々あるかと思いますが、下記はその一例となります。
・次期社長が契約締結した取引先の取り扱い
・次期社長の目標設定
・現社長と次期社長の意見の大幅な乖離
・営業に対する目標設定
・利益改善のための売上増及び原価低減

経営資源の少ない中小企業こそ、その有効活用が必要です!
一昔前なら、経営者が全てを把握し、意思決定をしている会社が多くありましたが、
時代の変化もあり、今や一人の経営者でできることは限られてきています。
(未だ、一人でやりくりされている方もおられますが)
また、次期社長が全分野で同じ能力をもっていることはありえません。

時代への対応、後継者の育成のためにも、
社内の経営管理強化は必須と、弊社は考えております!

大阪・兵庫で経営管理のお悩みならMSコンサルティング株式会社へ

個人事業者のお客様について

弊社では、法人のお客様をメインとさせていただいておりますが、

個人事業者に関しましても、確定申告業務を代表個人の税理士業務としてお請けしております。

個人事業者の方へは、年に1回の確定申告業務が中心となりますが、
中には、3ヶ月もしくは半年に一度の記帳を行い、

・事業の実態を確認されたい方もおられますし

・私の方から確認していただきたい方もおられます。

ビジネス・事業の実態確認の必要性に、法人・個人という形態は関係ありません。

むしろ、個人事業の方が実態が分かりにくい場合もあります。

確定申告自体は、年に1度の決算の機会ですが、やはり税金の申告がメインです。

しかし本来は、税金の申告云々よりも、やはりビジネスが儲かっているのか、

という確認が最優先事項であり、それは年に1回ではなく頻繁に確認していくべき事項です。

・儲かっているのかよく分からない

・どれくらい売上があれば、儲かる水準になるのか

といった事に少しでも疑問をお持ちであれば、是非ご相談下さい!

MSコンサルティング株式会社
公認会計士・税理士  茂

【経営無料相談事例 ②】経理業務について

今回は、昔からの友人が2代目社長を務めている会社からの相談です。
業種:飲食・サービス業
規模:売上3億程度
特徴:総務・経理周りは親族のみ、税理士は創業以来同じ

相談内容としては、総務・経理業務をこなしている親族の方が定年間近かつ最近はその業務負担が大きいため、どうにかして「総務・経理業務」を簡単にできないか というものでした。

何度も話を聞いていたのですが、
「そういった業務内容の見直しは顧問税理士に聞いてやる方がいいし、それが当たり前
ということで、断っていたのですが、会社を訪問して相談にのることになりました。

相談を受けて、これほどビックリしたのは久しぶりという内容でした。
分かりやすいところだけ記載しますと、
・伝票は手書き、現金出納帳等を含む別途管理資料も手書き
・その手書き伝票を税理士に月1で送付し、記帳してもらっている
ん十年前のやり方を未だにされている会社でした。
顧問税理士は90歳前で、訪問にくる担当者も70歳過ぎ。
年齢をとやかく言うつもりはありませんが、それは会社業務の改善案を出すことは難しいよね・・・

会社に経理・会計システムがないことも驚きです。
何の費用が多くかかっていて、というような簡単な調べものでも税理士を経由しないとできないのです。(おそらく出てくるのも遅いでしょう)

友人の社長も、専門知識がないこと、経理担当の親族が叔父であることからあまり強くいえず今までズルズルときてしまっていたようです。

私は会計ソフトの営業マンではないのですが、
ひとまず、私も愛用している会計システムを使えば、手書き業務が大幅に簡素化されますよ。
という説明を延々として、自社導入をお勧めして終わりました。
(説明後、その担当の叔父からそのシステムは個人的に利用している との驚きの発言がありましたが・・・)

 

正直、今回のような会社(伝票が手書き、自社に会計ソフトがない)はもうほとんどないと思いますが、
・口を出しにくいオーナー親族が業務を仕切っている
・顧問税理士及び担当スタッフが高齢すぎる
というような場合は要注意なのかもしれません。

【経営無料相談事例 ①】経営管理資料について

今回は弊社のホームページをみて、ご相談を受けた方です。
業種:飲食・サービス業
規模:売上6000万程度
店舗:3店舗

開業して3年ほど、3店舗目をオープンして、年間売上は6000万を超えるほどとのことでした。
損益計算書・利益の状況は順調で、もうすぐ4店舗目を考えておられるそうです。

 

今回のご相談は、資金繰りについてでした。
損益は順調でしたが、今までの店舗設備投資の負担が大きいようで、損益に見合うほどの手元資金はなく、今後の店舗展開のタイミングも含めて資金繰り管理を中心に経営管理資料をしっかりと作成したい との話です。

 

税理士さんはいるものの申告だけ、管理資料を担当している方は経理の知識がなく管理ソフトからデータをそのまま出力しているだけ  という状態でした。

 

ただ、この管理ソフト、ご相談者の業界ではかなり有名なソフトのようで、
実際に画面を拝見させていただきましたが、入力さえすれば、かなり優秀なものがでてきます。(しかも安い)
経営者は30代半ばと若く、熱心にメモをとり、理解がとても早かったです。

 

このため今回のご相談は、ソフトからの出力内容のアドバイス だけとなりました。

 

アドバイスだけでは分かりにくいので、下記の資料もサービスでお送りしています。
①出力された資料を経営管理資料として扱いやすい形にしたものに修正
②上記①の資料とリンクする形での資金繰り表の作成
③上記①の資料とリンクする形でイメージ図等も加えた売上・原価をブレイクダウンした資料の作成
④上記3つに対する説明資料を添付

 

  中小企業にも当たり前の経営管理を! MSコンサルティング株式会社

【経営相談事例 ⑥-2】社内会議 ~資本主義の変化

大層なサブタイトルをつけてしまいましたが、

最近はパワハラが大きな問題として取り上げられていますが、
会社組織である以上、上司と部下の関係にパワーが存在するのは事実です。そのパワーのみを乱暴に使ってしまうとパワハラということにつながるのでしょう。

私も前職では、上司が怖い人でw かなりパワー・圧力を感じていました。
しかし、パワハラなんて思ったことはありません。
自分との実力の違い、上司の能力の高さを理解していましたので、それに追いつくための修行と 捉えていましたので。
極端な例を除けば、受け手次第なところはありますので、
部下が上昇志向を少しでも持っていれば、捉え方が変わってくるものだと思います。

ただ、皆が皆そういう訳ではありません。
前回に申し上げたような会議が続いているような会社ではなおさらです。

上司が言ったことを、部下がそのまま実行する。
上司の命令は絶対 資本と労働を分離した資本主義の典型的形は、時代にそぐわなくなってきているのでしょう。
また、中途採用を中心とする労働市場の変化や人手不足がさらにこの流れに拍車をかけたことは間違いないと考えられます。

いまや、
どう人を動かすのか、どうやって自主的・能動的に動いてもらうのか
を考える時代になっています。

親が子供に対して「勉強しなさい!」
と言って、素直にする子が少ないのと同じ
なのでしょう。

お金をもらっている仕事なのに・・・、という理屈は通じない場合は多々あります。
「拘束時間=給与」という考えの人もいますし、
人間関係や仕事内容でやりがい見出せない人もいるでしょう。

以上のことからも、社内会議や能動的に人を動かしていくためには、
上司からの一方通行 ではなく、
上司が状況を鑑みて、また従業員からの意見を踏まえて、どう動かしていくのかを考える双方向に近い状態になっていることを前提にしなければいけないと考えられます。

もちろん、上記のことを実践していっている会社様もあります。
社内での管理体制強化と合わせて、臨時賞与の支給や退職金規定の見直しを行い従業員への還元をセットでされています。

よい方向に転がりだすと順調ですが、初めのスタートをきるのに大変時間がかかりました。
どの会社も問題点はいくつも積み重なっている ということですね。

【経営相談事例 ⑥-1】社内会議 ~空に向かって喋っていませんか?

・社内での決定事項がなかなか浸透しない
・従業員に自主性がないのか、物事が中々先に進まない

ということ、ってありませんか?
そのせいで、経営者はいつも声を大きくしていなければいけません。

ごく当たり前の話ですが、責任者と期限を決めないと物事は前に進んでいきません。
内容によっては、スケジュールも必要でしょう。

仕事ですので、本来であればどのような状態でも前に進んでいなければいけないのですが、
残念ながら、それは会社・担当者・従業員のレベルによって違います。

経営者が会議の場で、思いを伝え、少し踏み込んだ話をする。
ここまではどこの会社でも同じでしょう。
しかし、そこで終わっては、何も前に進まない日々が続くだけです。

 

私が参加させていただいている幹部会議や取締役会でもたまに見かけます。

先日は、「新製品の開発が、経営の最重要課題。是が非でも、開発していく!」
との熱い思いを聞けた会議に参加していましたが、

「誰が?」「いつまでに?」「どう進めていくの?」
という超重要なワードがありませんでした。(あとで確認すると毎回そうみたいでしたが)
このため、参加者は、
「また、社長が言っている」「まあ、私には言っていない」
というような雰囲気を出している方がほとんどです。

これでは、いつまで経っても何も進んでいきませんし、会議の意味がありません。
(この会社いままで個別に言われた一人だけがこの業務をやっていたようです。新製品の開発を一人に丸投げなんて、信頼が厚いのか、適当かのどちらかです)

 

御社の会議では、経営者が空に向かって喋っていませんか?

 

             続く

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事業の承継について(次世代の経営者サイドから)

弊社では、経営管理体制の構築支援業務をご提供させていただいておりますが、
普段の業務の中で、中小企業の次の経営者となられる方の思いに触れる機会が多々あります。

そんな中で漏れ聞こえる次世代の社長候補の声も、様々です。
●社長の代替わりはまだ自信がない。想像もできない。
●親族、特に兄弟役員は監査役でも入れないで欲しい。
●社長がいるから、従業員がこっちを向いてくれない
●社長側の人間が多すぎてやりにくい
●親子だからこそ話せないことがある
●今の会社の状況(決算書の見方)がよく分からない

 

現経営者が豪腕であればこそ、今の会社がある というのも事実ですが、
その分、その下が育っていない ということはよくある現実です。
それは、部下だけでなく次世代の経営者も同様かと思います。

従業員は現経営者の方を向いている中で、次世代の経営者としての立ち位置。
その立場にならないと分からない、「やりにくさ」というのもあるかと思います。

 

先々を考えると、
次世代の代表者も存在感を示していきたいけど、そうそうそんな機会は巡ってこない
というのが現実ではないでしょうか。
時間的余裕があるのであれば問題ありませんが、突然訪れるケースももちろんあります。

 

解決方法が置かれている状況によりもちろん変わりますが、

まずは次世代経営者の役割の明確化、そして経営管理体制の構築です。
会社にとっての肝は何なのか、その肝に次世代経営者をどう絡めて管理し、経営者としての能力及び組織力を高めていくのか、が最重要課題と考えております。

 

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コラム 一覧

中小企業の事業承継や企業再生、経営管理業務に関わらせていただき、それを弊社なりに解釈・分析しコラムとして記載させていただいた記事の一覧です。

【経営管理・経営相談】
経営目標の共有
経営相談事例 部門別管理について
部門別管理について
保険で節税 について
資金繰り表について
予算管理について
中小企業 事例 2代目の難しさ
経営相談事例 月次決算 実績の把握 内部管理体制
経営管理の必要性
営業管理について
決算書の読み方

 

 
blog ニュース+α
最近の記事
・経営難私大へ指導強化

 

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事業の承継について(現経営者サイドから)

事業の承継について(現経営者サイドから)

弊社では、経営管理体制の構築支援業務をご提供させていただいておりますが、
普段の業務の中で、中小企業の経営者様の思いに触れる機会が多々あります。

そんな中で漏れ聞こえる経営者様の声は、様々です。
●子供に代替わりするのは、まだまだ不安
●社内で存在感を十分に示せておらず、従業員がついてきてくれるか
●社長としての当事者意識がまだ乏しい
●この親族役員の中でやっていけるのか・・・
●従業員は2代目だから話を聞いてくれているだけ
●親子だからこそ、きちんと話せない

経営者は、豪腕で強引にでも会社を引っ張ってきたという印象を受ける方が多いです。
それは時代のせいもあるでしょうし、そうでなければやっていけなかった という側面もあるのでしょう。
しかし、その豪腕さを持ち合わせていない人は今の時代とても多いです。
また、経営者とともに、番頭とも言うべき方がいた会社も多いのではないでしょうか?

現経営者の能力と同等のものを、経営のすべての分野において求めるのは酷な話です
人それぞれ得手不得手があり、親子であっても違いがあるのは当然のことです。

営業面の能力は高いが、生産や製造・経理や財務といった面が弱い。といったことは、よく見られる傾向です。
経営のすべての分野を経営者が把握する必要はありません。
ただ要所は抑えなければ、問題発生時に収拾がつかなくなりますので、そのために現経営者が次世代の経営者にしてあげられることは、仕組みづくりだと考えます。

報告・連絡・相談体制の組織確立、会議体確立がそれに該当します。
・問題がおきてから、おきる前から
・日月年の目標設定、実行方法の検証、達成度合いの報告そして相談
といった仕組みを、現経営者がいる時から組織として明確にしてあげること。
また、その風土づくりをしてあげることが一番なのではないでしょうか。

いきなり経営者として全てをこなせる人は少ないでしょう。
経営者としてしなければいけないことを明確にするためにも、組織として問題解決ができる仕組み・組織作りは必要であると考えてられます。
特に中小企業では、経営における重要事項の多くを経営者が担っています。
そのため、
問題発生の経緯の認識方法、
問題対応への社内の陣容、
問題解決のための対応、
今後の未然防止策の検討と対応
が、経営者他少数だけの経験として蓄積されるだけに終わり、次世代経営者へと引き継がれないのは大変もったいない話です。

弊社では、そういった中小企業の事業承継のための組織作りを経営管理体制構築支援として、お手伝いさせていただいております。

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