【企業再生】決算書について

企業再生の場において、財務DD(決算書の中身を再度精査する)は必須の作業です。
決算書があるのに?と思う方は少数でしょう。
企業再生という事態に至るということは、やはり会社の状況は逼迫していて、財務諸表がかなり傷んでいるはずですが、
金融機関の態度豹変を恐れて、実態と相違している財務諸表を作成されている会社が多いというのが実情です。

どこからが粉飾なのか、という意見はあるかも知れませんが、
読んで字の如く 「決算を粉で飾ること」が粉飾決算ですので、プラス方向に実態と相違していれば、と広く捉えておくことが必要です。

よくあるやり方としては、下記の3つではないでしょうか。
・架空売上計上
・回収不能債権の計上(貸倒処理をしない)
・架空在庫計上(評価方法、数量の水増し)

今までで一番厳しかったのが、私が関与させていただく1年程前の決算において、在庫評価を水増しし、利益を大幅に粉飾していた事案でした。

粉飾した決算の直後に融資をしていた金融機関は、怒り心頭です。
「顧問税理士を訴える!」みたいなことも叫んでおられ、しまいには、全く関与していない私にも怒りの矛先が向いたので、ビックリしたのを覚えています。

決算書は、金融機関との対話する有効なツールです。
騙し騙されの関係では長続きしません。

企業再生の事案では、「あと2年早くきてくれれば・・・」
と思うことが多々あります。(この事案でも思いました。)
粉飾決算に手を出す前に、コンサルの利用も検討していただければと思います。

 

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