【企業再生】窮境の要因②

≪第2位 過剰投資≫
半分程度の案件において列挙されたのが「過剰投資」です。
携わらせていただいた案件では、過剰投資の種類は大きく2つ分かれます。
①業績が好調な時の設備への過剰投資
 飲食業・小売業における店舗への過剰投資、製造業における設備への過剰投資が最たる例です。
②今後の柱となる事業への投資
 自社品ブランドを取り扱っている会社が該当しています。

もう十数年前になりますが、監査法人に勤務していた時代に、クライアントに小売業の会社がありました。
業績は好調で、毎年の出店数も異常に増加し続けていました。
現場では、監査法人を辞めてこの会社に就職したい みたいな話で盛り上がっていましたが、
私は一人、出店数が多過ぎないか、逆回転しだしたらどうするんだろう? と、悲観的な考え方をもっていました。
その後10年程度は順調に店舗数も増加させていたようですが、
今は不採算店舗が激増し・・・・という事態に陥っているようです。
まあ10年程度は順調だったようですので、「私の懸念通りになった」なんて言うつもりは毛頭ありませんが、
「順調なときにこそ違う視点をもっておきたい」ということは歴史が証明していますね。

もう一つの、「今後の柱となる事業への投資」
自社ブランド品をもち業績が好調な時代があった会社には多いのでは?と思います。
次の主力となる製品の開発に多額の投資を行い、結果、失敗してしまったというものです。
事業に失敗はつきものですので、投資するなということではもちろんありませんが、
市場の見込、費用対効果の見極め等について社長だけではなく、
可能な限り多くの人間の間で議論した結果としての投資であってほしかった・・・ というのが、率直な感想です。

社長が一人で引っ張ってきたような会社の場合において、社長に反対する様な意見を言える方は少ないです。
そのため従業員の意見を聞いているつもりでも、本当は独りよがりの投資案件になってしまった。
というが実情ではないかと推察されます。
                                            続く

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