【経営相談事例⑦】新製品の開発と営業管理

数年前の話です。

社長の肝いりで新商品開発が進み、発売までこじつけました。
5,6年の開発期間を経て、とのことでかなり力が入っていました。
商品分野が、社会問題となっている事項に対してとのこともあり、
新聞・テレビでも取り上げられ、売上の成果に期待が膨らんでいました。

初年度、結果はでませんでした。
販売台数は数十台(売価は1台1万円程度)。
社長に理由を聞いても、当たり障りのない話ばかりです。
販売にかける意気込みもあり、初年度の在庫金額は1000万を越えていました。

2年目を迎えても、在庫はほとんど動きません。
社長に話を聞くと、
「営業に力が無いし、全然営業に回っていない。」
「ただ、商品自体には力があるし、必ず売れていく!」
「あの人(かなりの有名人)にも必ず売れていくから、今が我慢のしどころやと言われた。」
とのこと。

3年目を迎えました。もちろん在庫に動きはありません。
当該クライアントには、財務コンサルという形で関与しておりましたが、
業績不振が続いていたこともあり、
この頃から、経営管理の分野も関与することとなり営業会議にも参加することとなりました。

そこで、営業の方に、現場の状況を率直に聞いてみました。

営業の方:
・当然、営業はかなり回っている。既存客はもちろん、新規も。
・プレゼンすると、多くの客から同じ事を言われる。「この商品は×××で・・・・」
・そもそも、開発段階に一切入らせてくれなくて、完成したから売ってこい って・・・

営業の方が実際に回っているのかどうかはひとまず置いておいて、
「多くの客から同じ事を言われる。」
「完成したから売ってこい」
は見過ごせません。

社長に、「●●という話もあるみたいですが、」という形でお聞きしてみると・・・

社長:「新規商品を買いもしない得意先、営業力のない営業マン、主体性のな い従業員の意見を聞き入れてたら、商品開発はいつまで経っても終わらないよ。」

     

経営者には決断が求められる大事な場面があります。
色々な人の意見を全て取り入れて というのは理想論で、
ある種の割り切りのもとに決断をする必要があるのは至極当然のことです。

しかし、やはり程度の問題はあります。

    

多様な商品が簡単に手に入るこのご時世で、
商品開発を社長の独断・思い込みだけで全てを終わらせていた 
というのは正直なところ無茶苦茶です。

これはある会社の事例ですが、他所の会社でも同じような事例を多々お見受けします。

そして、そうなってしまった経緯をお聞きすると、返ってくる言葉は似たような内容です。

     

一方で、従業員側の話も似たり寄ったりです。

こういった事例をお聞きすると、「もったいない」といつも思ってしまいます。

経営者と従業員の中間に位置できる立場の方がいたら、もっと良い結果が生まれているのに・・・、と

     

弊社のコンサルティングは、会社の側にたって実施させていただいております。

経営者側でも従業員側でもないため、時には経営者と真っ向からぶつかります。
(いわゆる、番頭さんや経営企画室長という立ち位置でしょうか)

ですので、経営者様から罵声を浴びせられることもあります(笑)

しかし、ぶつかることとなったとしても、結果として会社のため、ひいては経営者・従業員の側に経つことになると考えているため、少しの躊躇くらいはありますが、ぶつかることは意見交換として非常に重要な工程であると考えております。

上記会社では、それ以降、商品開発の話にも参加させていただいております。
もちろん私に商品開発の知識や経験はありません。

しかし、商品開発という分野は経営管理の分野と重なり合うこと部分があります。

それは、上記事例がどうすればもう少し上手くいったのか を考えるとよくわかるかことです。

    

大阪・兵庫で番頭さんや経営企画室長的なコンサルティングを実施するMSコンサルティング株式会社

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