【経営相談 事例①】組織の閉鎖性 同族企業 情報共有

A社は高価格帯の海外仕入品を国内の百貨店等で販売する形態で事業を営んでおりましたが、
業界はネット販売や量販店による安価な商品が主流になったことで業績が低迷してきており、抜本的な改善が必要な状況でした。
役員には社長も含め御兄弟3人がおられ、会社を経営されています。会社の現況は御三方とも認識されておられますが、今後の方針が相違しており、小出しに手を打っては失敗しているというのが状況でした。

経営陣等から話を聞くと、「やるべきことを実行していない」という話がある一方で、
「社内で実行可能なものは実施済みだ」という話もあがっています。
さて、このA社では何が問題になっているのでしょう??

 

 

A社で起こっている問題は、ある意味典型的な例といえます。

役員の間においてでさえ問題の共有が不十分であり、その改善施策についても役員間において合意のとれた施策として認識すらされていない。また、実行責任者も曖昧で、実行以後の進捗管理・共有も当然ながら不十分。
つまり、組織の閉鎖性が明らかに問題となっています。

A社において組織の閉鎖性が生まれたのは下記の要因であるといえます。
・経営陣が多い同族企業(社長が多いもしくは社長がいない ともいえます)
・社歴が長く、財務基盤が厚い(余裕があるぶん、過去の成功体験を忘れられない)
・事業所が全国に散らばっている(物理的にも意思疎通が図りにくい)

同族企業だけに限ることではありませんが、
意思決定者が多いと
⇒物事が決まらない⇒情報を共有しなくなる⇒暗黙に不可侵的な領域が確立され、そして広がる
⇒各領域で失敗した場合には、責任が曖昧になる⇒原因・結果が共有されない⇒
と、深みにドンドンとハマって行きやすい といえます。

やることは明白ですが、
組織の問題で一番悩ましいのは、親族間の利害が絡む事例です。

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