今回は、再生計画策定時に必須の検討事項である、「窮境の要因」についてです。
「窮境の要因」というと難しい言葉で、普段はあまり使わない表現ですが、
要は企業再生に至った原因であり、その原因を確認し、打開策を打ち出すことで企業再生への道筋をつけようというところです。
私が携わらせていただい案件の中から、かつ私の私見ではありますが、
「窮境の要因」として挙げられた項目の多い順に、その内容を考えてみたいと思います。
≪第1位 経済環境の変化≫
2/3以上の案件において列挙されたのが「経済環境の変化」です。
経済環境の変化を正確に予測するのは困難ですが、企業の収益に直結する事象でもあります。
コラムを書きながら、過去の案件を振り返ってみますと、
経済環境の変化としながらも、その程度に大きな差があることに気づかされます。
変化は、変化なのですが、「激変」と呼ぶほどの変化なのか?ということです。
もちろん、激変をどう定義するのかにもよりますが、
リーマンショックや原油高騰、市場全体の変化、自然災害といった予測不可能かつ甚大なレベル(あくまで私の私見です)となると、全体の1/3程に減少します。
もちろん業種・地域等にもよりますが、
窮境の要因を安易に「経済環境の変化」とするのは、問題の本質を誤る恐れがあります。
簡単な例でいえば、
市場に出回っている商品をより安価に販売することで成功をおさめた場合は、より安価な他社商品に市場を奪われる可能性があることは十分に予測すべきですし、このケースを経済環境の変化とするのは、いささか安易と考えられます。
「経済環境の変化」とすると、多少は仕方がなかった感がでますので、
比較的書きやすい・書いてほしい表現であるのかもしれません。
続く
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